花王の「温める医療機器」。携帯カイロと同じように、鉄粉+水分+酸素で発生させた熱と蒸気で、蒸しタオルを当てたような効果をもたらす。
花王というと、へルシア緑茶の大ヒットでヘルスケア系のブランドとしての認識も上がっているところ。原理的には携帯カイロそのままなんですが、それを「温める医療機器」と銘打つことで、当初の社内計画の倍の勢いで売れているとか。まさにマーケティングの勝利ですな。
雑誌『WEDGE』2006年8月号「ヒットメーカーの舞台裏」というコーナーで開発者へ取材しているんですが、原理は携帯カイロと同じではあるものの、それだけではなく「花王の全社的シナジーによる製品」なんだとか。入浴剤「バブ」[kao.co.jp]や育毛剤「サクセス」[kao.co.jp]で培った血行促進の研究成果と、紙おむつ「メリーズ」[kao.co.jp]の「蒸気は通すが水分は通さない」素材技術、フロッピーディスクの粒子分散技術を結集した苦労話がつづられています。
90年代末から開発開始して、社内プレゼンが2002年。製品化したのは2005年、社内の理解を得られずなかなか商品化できなかったなんていう話を聞くと、よく3年もガマンしたなあと尊敬してしまいます。逆に「そんな研究やめちまえ」と会社から言われなかったというのも懐が深いというか、熱意が通じているというか。
寒い季節、腰痛に悩まされている方々にはよろしいのでは。
さて、おそらくは「(血の)めぐり」と「(脈の)リズム」を組み合わせたと思われる商品名で、ひらがなの「り」とカタカナの「リ」で表記上のつながりもいい優等生的なリエゾンです。しかしどうしても「メグミルク」が先にあったもので「めぐり」のイメージが出てきにくい。ちょっと惜しい!
moriy注:実は花王のWebサイトでは、URIとして「megurism」という文字列が使われています。もしかしたら「めぐり主義」という思想を表したネーミングなのかも知れません。そう考えると、「り」がカタカナではなくひらがなになっている理由がわかる気も・・・。
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